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第1回「概要とデモンストレーション」

1回のベーシックコース講座が、527日に行われました。第1回「概要とデモンストレーション」_f0218490_10425710.jpg5月らしい、さわやかな気候でした。

まずは、講師と受講者の方の自己紹介からです。今年度も多彩な領域から、受講者の方にお集まりいただきました。口コミでいらした方や、連続講座を理由に受講された方もいらっしゃいました。

そのあとの理論講座では、「ブリーフセラピーの歴史」と、「心理療法の効果の要因」についてお話しました。ブリーフセラピーはその特徴的な技法だけでなく、「希望を持つ」「クライエントの資質を活かす」という独特の基本姿勢や、「よい関係を築く」といった多くのセラピーに共通する基本的で有効な条件も、備えています。

そのあと、青木講師によるデモンストレーションです。受講者の方にクライエント役をしていただき、1時間ほどの初回面接の様子をお見せしました。生活の中で困っていることをお話しいただき、皆で面接のプロセスを学ぶことができました。ミラクルクエスチョンもおたずねし、解決した時のイメージを共有し広げていきました。

セッション後の質疑応答では、 「クライエントのペースに合わせて進んでいくことがよくわかりました」「問題点ではなく、よくなったイメージに焦点を当てていることが新鮮でした」などのご意見が寄せられました。クライエント役の方からは、「緊張しましたが、誰にも言えなかったことを話せてすっきりしました。また、今まで気づいていなかった、自分のできていたところに気づけました」という感想をいただきました。

 

 解決志向では、クライエントさんご自身にとって、これまで考えていなかったことを考えていただく、という側面があります。ですので、面接の中では、クライエントさんも考えること新鮮だと感じるかもしれません。そのプロセスを、意味あるものとしてともに歩み、充実させるよう努力ことが、大切だと考えています。

これからともに学んでいけること、講師も楽しみにしております。


# by tokyo_sfbt | 2017-06-17 10:45 | 講座・研修会のお知らせ

2017年度ベーシックコースのお知らせ

みなさん、こんにちは。
2017年度も、おかげさまで、2017年度ベーシックコースのお知らせ_f0218490_19541698.jpg
8年目の開講をいたします。
内容も、受講者のニーズを尊重しながら、毎年少しずつバージョンアップしております。受講者の方の層も広がり、大学院生・初学者の方から、臨床心理士、医師、教師、家庭裁判所調査官、公務員心理職、産業カウンセラー、などの職種の方々まで、広範囲の領域で役立てていただいている手ごたえを感じております。

 本講座の特色の一つとして、連続講座であるため、毎回の講座の実践を振り返ることができ、身につきやすいということがあります。また理論講座と並行してワークを行うため、面接の基本技法から、体験によって学習できることが最大の利点です。さらにその過程で、さまざまな気づきを得たり、受講者ご自身の問題解決にも役立つという感想をいただいています。そして、宮田敬一先生の提唱された問題モードから解決モードへの統合的アプローチを学び、問題の中に解決を見出す技法について学習します。

2016年度受講者の方からは、「本を読むだけでは得られないことが、ワークとロールプレイで実感できます」「実際に大いに役立てられる講座です」「その場の相互作用を楽しんで学べると思います」「ロールプレイを通して体験的な発見があります」「基礎から学べて実際の場まで使える講座でとても勉強になりました」「6回連続で参加することで、より深く理解できました」などのメッセージをいただきました。

 また、ベーシック・コース修了者を対象に、アドバンス・コースも用意しています。よりシステム論的な内容を取り入れ、事例検討やスーパービジョンなど、受講者のニーズに合わせて実践力を高める内容を扱います。

 2017年度のベーシック・コースの概要は以下の通りです。ご興味をもたれた方は、ご所属と氏名を明記の上、事務局あてにメールでご連絡ください。

☆予定
 いずれも土曜日 13:30~17:00
 5月27日 概要とデモンストレーション
 6月24日 クライエントとの協働
7月22日 解決構築という考え方
9月16日 問題モードと解決モード
10月28日 フィードバックと課題の提案
11月25日 面接の進め方
 
☆会場
 日本女子大学 目白キャンパス (東京都文京区2-8-1)
(JR山手線目白駅よりバス10分、あるいは東京メトロ副都心線雑司ヶ谷駅より徒歩7分)

☆受講費
 一般 3万5千円 (医療・教育・福祉など、対人支援の専門職の方)
 臨床心理学大学院生 2万円 

☆お問い合わせ
 SFBT講座事務局
 日本女子大学 人間社会学部 心理学科 青木みのり研究室内
 e-mail: tokyo_sfbt@mbn.nifty.com

☆当講座では、新しい仲間を募集しています。多くの方のご参加をお待ちしています。
# by tokyo_sfbt | 2017-02-09 19:56 | 講座・研修会のお知らせ

第6回面接のプロセス

11月26日に、今年度講座の最終回が行われました。第6回面接のプロセス_f0218490_21285913.jpg6回のまとめということで、初回面接のロールプレイをしました。

《理論講座》
 最初に学習してきたことを振り返りました。そして、面接のプロセスでは、セラピストが自分自身の内面のプロセスと、クライエントの主観のプロセスとを、同時に意識する「二重軌道思考」が重要であることを説明しました。

《ロールプレイ》
 50分を使って、ブレークを入れて、フィードバックタイムも取る形で、ロールプレイを行いました。「質問がつながる形で、答えていったら、たどり着いた感じだったので驚きました」というクライエント役の方の感想や、「話がだんだん深まり、クライエントについていこうと思いました。この辺と思うところで、ミラクル・クエスチョンをやってみました。クライエントが真剣に考えながら、自ら気づいていかれました」というセラピスト役の方の感想をいただきました。
 皆さんが、面接のプロセスを上手につかめてきた様子を感じました。

 今年も無事6回の講座が終わりました。これからも、皆さんが熱心に学んで、身に着けられたことを、現場で活かしていただけたら嬉しいと思います。
# by tokyo_sfbt | 2016-12-30 21:30 | 講座・研修会のお知らせ

第5回フィードバックと課題の提案

10月29日に、第5回講座が行われました。第5回フィードバックと課題の提案_f0218490_23262975.jpg今回のテーマは、「フィードバックと課題の提案」です。どのような形であれ、クライエントに適切なフィードバックを伝えることは、よい面接を行うには大切なことです。SFBTの定型の面接では、ブレークの後、フィードバックの時間を取ります。今回はその意義と方法について学びます。

 まず、フィードバックの構成の仕方や、その前のブレークの取り方などについてのレクチャーです。ブレークは、何もしない時間のようですが、実はセラピストとクライエント双方の心の中に、様々な変化をもたらす貴重な時間でもあります。またフィードバックでは、要約やコンプリメントが主な内容ですが、次回面接までの生活の中で、クライエントに役立つのではないか、と思われる課題を提案することもあります。

次に、課題の提案についてのワークを行いました。事例を読み、各自で考え、セラピストチームの想定で、グループでディスカッションしました。クライエントにとって何が良いのか、皆さんとても熱心に考えてくださいました。

 いよいよ、ロールプレイでフィードバックをしてみました。「クライエント自身が、面接の中で課題を見つけていたので、それをそのまま提案しました」「セラピスト役の人に、自分が普段やっている返しをしてもらえたが、それを続けることが大切だと実感しました」「小さな段階で聞いてもらうと、イメージがわきました」「ミラクルクエスチョンを訊いてもらって、こういう使い方もあるのか、と思いました」などの感想がありました。

皆さん、日頃の実践場面を想定しながら、改めて難しさや効果を実感されたようでした。身に着けたことを活かしたいという意欲が伝わっていました。
# by tokyo_sfbt | 2016-11-21 23:27 | 講座・研修会のお知らせ

第4回 解決モードへの移行

9月24日に、第4回講座が行われました。第4回 解決モードへの移行_f0218490_16313563.jpg
「解決モードへの移行」ということで、クライエントの語りを尊重しながら、自然な形で解決のイメージも共有できる状態へと移行する際の留意点が、今回の主なテーマです。
 まず前回から2か月あいたので、質問についてお答えしてから、2か月の間のメンバーの皆さんの近況について伺い、皆で共有しました。

 これまで扱ってきたテーマを振り返り、更に、問題モードから解決モードに移行する際の質問の仕方のガイドラインを示しました。事例による学びでは、解決モードへの移行がうまくいかないとき、どんなことが起こりがちだと思うかについて、グループディスカッションをしました。
 「セラピストから見て、よい変化が表れて、セラピストは喜んでいるが、クライエントは不満を抱えている状態。クライエントの気持ちを汲み取れなかったように思います」
 「クライエントに、最近の変化でうれしかったことをきいてみるとよいのでは」
 「クライエントが現状に対する評価をどんなふうに感じているのかを聞いて、それから寄り添っていくことがいいのかなと思いました」
 などの意見が出されました。

 もう一つの事例では、ガイドラインに沿って質問をした場合の流れについても学習しました。そのあと、ロールプレイをしました。「セラピストと一緒に、生活や状況を体験し、共有し味わうことができました。その時に質問されたことで、視界が広がりました」「面接の中でうまく聞けなかったが、後から思うと、クライエント自身が大切にしていることがあるから、問題状況も起きていると思いました」
 などの感想をいただきました。
 
 皆さん、次第に流れをつかむのが上手になっておられるなあと感じました。
# by tokyo_sfbt | 2016-10-23 16:32 | 講座・研修会のお知らせ